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広島大学ダイバーシティ研究センター

設立趣旨

ダイバーシティ&インクルージョンとは

ダイバーシティとは、民族、国籍、性、年齢、障がいや病いなどの状況、宗教、政治信条、価値観、専門性、職業、ライフスタイル、経験など、属性や背景や見方の面で多様な人々が、集団に存在している状況を指し、インクルージョンとは、こういった多様な一人ひとりが個性や視点や能力を尊重され、十全とした自分として、対等に集団に参加できている状況を指します。

ダイバーシティ&インクルージョンを達成するには、多数派のやり方や価値観を標準とした従来の制度や組織運営を改め、属性など表層の多様性だけでなく価値観や視点など深層の多様性にも着目し、多様性を積極的に受け入れ、活かし、革新的発想を生み出せるような仕組みづくりが必要です。

ダイバーシティ&インクルージョンの研究状況

しかし、このようなダイバーシティ&インクルージョンの実現については、学術的に探究すべき課題が多く残っています。

とくに日本では、ジェンダーや移民問題など、個別のマイノリティ集団に関する研究は一定の蓄積があるものの、「一つの集団内で多様な属性と背景を持つ人々がいかに協働しうるか」についての研究は相対的に少ないです。また、そういった研究の多くは、主に経営学の領域で、企業従業員のダイバーシティに限定して行われており、他の領域でダイバーシティに注目した研究は多くありません。

また、経営学においても、ワークライフバランスや障がい者雇用のように、「マイノリティとされる人たちも雇用し働ける制度をつくること」を目指す動きが始まったばかりで、価値観や経験などの多様性を革新と問題解決につなげる組織づくりについては、研究の蓄積が足りません。

設立の趣旨

広島大学は、男女共同参画、障がい学生支援、及び特別支援教育の分野で、日本でも先進的な業績を挙げてきました。

この業績を基盤として広島大学が進むべき次のステップは、多様な研究者が集うダイバーシティ&インクルージョン推進の研究拠点となること、さらに、多様な価値観や背景を持つ人々と協働するスキルやリーダーシップを備えた人材を育成することです。

このような経緯により、2016年4月、学際的な研究組織として、ダイバーシティ研究センターが設立されました。

事業内容

当センターは、以下の活動をつうじて、広島大学がダイバーシティ・アンド・インクルージョン推進の拠点となること、およびダイバーシティ・アンド・インクルージョンを推進する知識とスキルを備えた人材を育成することを目指します。

  1. ダイバーシティ・アンド・インクルージョンに関して学際的な研究をします
  2. ダイバーシティ・アンド・インクルージョンのための知識とスキルを学生に教育します
  3. 学内外でダイバーシティ・アンド・インクルージョンを推進し、問題解決に貢献します(公開講座や企業向け研修など)
  4. ダイバーシティを活かして創造的な研究を生み出す実践の場を作ります