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広島大学ダイバーシティ研究センター

CEDAR広島

CEDARとは

CEDAR(Communities Engaging with Differences and Religion)は、多文化共生のための教育プログラムを実施するアメリカの団体です。

当センターでは、CEDARの教育理論にのっとったワークショップを企画しています。

ウガンダでのワークショップの様子

プログラムの特徴

合宿型のワークショップ。地元とそれ以外の地域から、多様な背景を持つ参加者が集まり、2週間の経験を共にします。経験をつうじて、価値判断を留保し、賛成できない信条を持つ人を許容し、共に生きることを学びます。参加者は修了後、それぞれの現場で、差異のある人々と市民社会を築く活動をすることが期待されます。

過去のテーマ

2003年にバルカン半島で始まり、以来、イスラエル、アメリカ、トルコ、イギリス、ブルガリア、インドネシア、ウガンダなどで実施されてきました。
これまで扱ったテーマは、旧ユーゴ紛争で宗教が果たした役割、宗教とナショナリズムと原理主義、国家と民族と宗教、所属と差異と研究手法、改宗と共同体の境界、他者と隣人、共同体と国家、身体文化、少数派と多数派、植民地支配の歴史を振り返る、などです。
日本では、長崎で2019年8月に2泊3日の短期ワークショップが開催されました。

プログラムの構成

講義

セリグマン代表、参加者、外部講師から話を聞き、知的な理解を育みます。

フィールドワーク

テーマに関連する現場に赴き、人々の話を聞きます。ドキュメンタリー映画などで背景について学ぶこともあります。

全体ディスカッション

フィールドワークで見聞きしたことについて全員で話し合います。

5人ぐらいの小グループ

テーマに関連して自分自身の経験について打ち明けます。話した内容をグループの秘密とすることで、メンバーは親密な関係を築くとともに、テーマを自分の人生に位置づけます。

CEDAR代表

アダム・セリグマン(Adam Seligman)ボストン大学、宗教社会学教授。イスラエル、ハンガリー、アメリカなどの大学で教えてきました。
研究テーマは市民社会、信頼、権威、宗教の寛容、儀礼。著書多数。10以上の言語に翻訳されています。近著Living with Difference: How to Build Community in a Divided World (with Wasserfall and Montgomery,2015)。CEDARの活動で寛容の精神を養ったことを認められ、2020年度Dr. Leopold Lucas賞を受賞。

CEDAR広島の活動

当センターでは、セリグマン代表と連携し、CEDARのワークショップを企画しています。そのため、研究会や見学会などを重ねています。

ワークショップ

チラシ
「わしらの中のよそもん、よそもんの中のわしらーー東広島で外国人労働者との共生を考える2泊3日のワークショップ」

2024年1月6-8日@東広島市志和町(こすもすハウス,TECS木鶏の杜研修センター,地元集会所)
外国人労働者との共生を考えるワークショップ「わしらの中のよそもん、よそもんの中のわしら」を、東広島市志和町で開催しました。 CEDARのメソッドを使って、課題を解決するスキルを身につけ、関心のある人同士を繋げ、社会活動の種をまくことが目的です。
東広島市志和町は、田園風景が広がるのどかな地域ですが、工場で働く実習生も少しずつ増えています。 しかし、外国から来た実習生と、地域に長く暮らしてきた住民のあいだには、言葉や習慣の違いもあって、 たがいを身近に感じる機会があまりありません。2020年に実習生が嬰児を遺棄する事件が起きてから、町ではさまざまな交流活動が模索されています。
今回のワークショップには、実習生受け入れ企業の職員、実習生と企業の橋渡しをする監理団体職員、市の日本語教育コーディネーター、 市職員、広島大学職員など、この課題に関心を持っている10名が参加しました。CEDARのセリグマン代表を招いて、2泊3日の間に、 社会福祉協議会の職員、自治協議会の役員、民生委員、地元住民と懇談する機会を持ちました。また、監理団体の研修施設で実習生の研修を体験したり、 実習生と地域住民との交流会など行いました。 参加者はこれらの体験を踏まえて、CEDARのメソッドを使って問題を掘り下げ、他者を信頼する困難と可能性について学びました。 活動の様子は地元テレビ番組でも取り上げられ、関心を呼びました。

志和の状況や課題について議論
志和の状況や課題について議論の様子
実習生の研修を疑似体験
実習生の研修を疑似体験の様子
実習生と地元関係者との交流会
実習生と地元関係者との交流会
CEDARの議論
CEDARの議論
準備合宿

2020年11月1,2日@広島市双葉公民館,アステールプラザ,広島朝鮮初中高級学校,広島大学
CEDAR広島を2021年に開催することをめざし、CEDAR広島のスタッフ6人で準備合宿を行いました。
(1)CEDARを体験的かつ知的に理解し、(2)協力者との連携を構築、強化し、(3)CEDAR広島の青写真を描くことを目的としました。
2日間、1台の車で複数箇所を移動し、長時間一緒に過ごすことで、CEDAR特有のストレスを経験すると同時に、自他にたいする新たな認識を得ることができました。

合同

研究会

第5回研究会「大学と地域の関わり方――基町の事例報告」

2020年8月30日13:00-15:30@ウェブ開催
植村広美(県立広島大学・准教授)「子どもへの放課後学習支援」
河本尚枝(広島大学・准教授・協力教員)「高齢者への健康支援」

第4回研究会「大学と地域の関わり方――基町を例に」

2020年7月18日9:30-12:00@ウェブ開催
第7回広島多文化共生研究会との合同研究会として実施しました。
大池真知子(センター長)「『基町問題』にたいする私の立ち位置――他者を知ること、他者とともに生きること」
中村平(広島大学・教授・協力教員)「ドキュメンタリードラマ『基町アパート』から考える広島の多文化/多民族共生」
権鉉基「基町在住、在日朝鮮人から見える風景――基町の『地域活性化』と『多文化共生』」

第3回研究会「セリグマン先生の「The Tragedy of Human Rights」を読む」

2020年3月30日@広島大学東千田キャンパス405講義室
セリグマン代表の共著論文“The Tragedy of Human Rights: The Liberalism and the Loss of Belonging”を読み、人権、所属、共同体、市民社会、包摂、差異についてディスカッションをしました。
主催:ダイバーシティ研究センター、広島大学インキュベーション研究拠点「ダイバーシティとインクルージョン科学の構築と実践のための研究拠点」

第2回研究会「民族と文化と教育――朝鮮学校から見た日本社会の姿」

2020年3月11日@広島大学東千田キャンパス404講義室
コン・ヒョンギ(広島無償化裁判を支援する会事務局長)「民族と文化と教育――朝鮮学校での経験をもとに」
中村平(広島大学・教授・協力教員)「広島と日本社会における『多文化共生』――民族/シティズンシップ/国民教育から」
福田美智子(CEDAR長崎代表・岡まさはる記念長崎平和資料館理事)コメント
主催:ダイバーシティ研究センター、広島大学インキュベーション研究拠点「ダイバーシティ&インクルージョンの構築と実践のための研究拠点」

第1回研究会「学園都市と多文化共生――東広島の日本語教育の現場から」

2020年3月10日@広島大学東広島キャンパス学士会館
櫻井里穂(広島大学・准教授・協力教員(当時))「日本の小中学校における多文化共生」
奥村玲子(こどものひろばヤッチャル・副代表)「東広島の日本語教室における多文化共生」
主催:ダイバーシティ研究センター 、広島大学インキュベーション研究拠点「ダイバーシティ&インクルージョンの構築と実践のための研究拠点」

見学会

第4回見学会「技能実習生の監理団体(協同組合)」

2022年6月14日、外国人技能実習生を管轄する監理団体(協同組合 技術者育成協力会)東広島研修施設を訪問しました。現行の国の制度に基づき、技能実習生は入国後1か月の研修を受けることとなっています。ほとんどの監理団体がこの研修を外注して行うなか、技術者育成協力会では、技能実習生と寝食共同で研修を行っています。外国人実習生は訓練を受けながら、日本での生活基盤を築くために学んでいました。

第3回見学会「呉市の取り組み」

2020年3月6日に呉市役所を訪問しました。呉市議会議員の井手畑隆政さん、国際関係を担当する市職員の宇根徹さん(総務部秘書広報課長)、交際交流センターの片山章子さん、市教育委員会の髙橋伸治さん(学校教育課長)と会い、呉市での国際交流や外国人支援について説明を受けました。市役所内に国際交流センターを開設し、同センターを中心に、外国語での窓口支援、日本語教室を活発に行い、ニーズを把握するよう努めているそうです。また、呉市の公立小中学校での支援についても意見交換しました。

第2回見学会「呉の教会」

2020年2月9日にカトリック呉教会を訪問しました。呉教会では、毎月第2日曜日に日本語、英語、ヴェトナム語の多言語ミサが、第3日曜日に英語ミサが行われています。多言語ミサ終了後には、聖堂の隣にある施設で集会が開かれ交流します。私たちが見学した日は、フィリピン人の信者がフィリピンの軽食を作って皆で食べる会が開かれていました。


外国人支援のための多言語のチラシが祈祷書の前に並べてあります。
第1回見学会「広島朝鮮学校」

2020年2月8日に広島市の朝鮮学校を訪問しました。「広島無償化裁判を支援する会」が開催した見学会に参加したものです。会の事務局長からの話を聞いた後、保育園、幼稚園、初級部、中級部、高級部の授業を見学しました。構内の掲示物には、朝鮮の言葉、日本語、英語で書かれているものもありました。見学後には、校長先生のあいさつの後、関係者を交えて民族文化や言語について意見交換をしました。


朝鮮の言葉、日本語、英語を学んでいます。
スケートは韓国のキム・ヨナ選手、ホッケーはコリア合同チームとの試合です。

セミナー・イベント

ダイバーシティセミナー 「異なる文化と生きるために」
2021年3月8日(月)@ZOOM
アダム・セリグマン教授(CEDAR代表)ウェブ講演会
当センターと広島大学インキュベーション研究拠点「ダイバーシティ&インクルージョン科学の理論と実践のための研究拠点」 共同主催
異文化間教育推進室 共催
ひろしま多文化共生研究会 協力

Diversity Seminar, Living with Different Cultures
Mar. 8, 2021@Zoom
Webinar with Professor Adam Seligman
Organized by Research Center for Diversity and Inclusion /
Resarch Group for Developing Science for Diversity and Inclusion
Co-organized by Institute for Promotion for Interculturalism in Education
Supported by Study Group for Different Cultures Hiroshima

2019年4月から外国人技能実習生が働くための新しい制度が始まり、日本もますます多くの人を外国から隣人として迎えています。異なる文化と価値観をもつ人々とともに市民社会を築いていくには、どんなことが大切なのでしょうか
CEDAR( Communities Engaging with Difference and Religion)は、多文化共生のための教育プログラムを実施するアメリカの団体です。本講演会では、CEDAR代表のセリグマン教授(ボストン大学)を迎え、CEDARの理論と実践についてお話をうかがいます。

With a new immigration system taking effect in April 2019, we expect more and more people from abroad among our neighbors. How do we build a civil society with people of different cultures and values?
CEDAR (Communities Engaging with Difference and Religion) is a non-profit US organization conducting educational workshops for multicultural society. In this webinar, the CEDAR director Professor Seligman (Boston University) will tell us about the theory and practice of CEDAR.

講演会の動画をご覧下さい。

Watch the webinar video

ウェビナーの時間内に答えきれなかった質問の答えです。

Read the answers to the qeustions left unanswered during the webinar.

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